フルローン
不動産価格のほぼ全額を借入で賄う購入方法
この記事でわかること
フルローンとは、不動産取得価格のほぼ全額を借入で賄う購入方法です。自己資金を温存できる一方、返済負担が重く、金利上昇や空室時の耐性が低くなります。株式投資でいう「自己資金ゼロに近い信用取引」と構造が似たリスクがあります。
セミナーでは「自己資金ゼロで始められる」と強調されがちですが、ゼロではなく「返済能力と空室耐性という見えない自己資金」が必要です。キャッシュフローを厳しめに試算し、安全余裕を確保しないと、小幅の想定外で破綻しやすいです。
なぜフルローンは金利・空室に弱いのか
手元にバッファがないと、空室1〜2ヶ月で資金ショートに近づきます。変動金利なら金利上昇で返済が増え、すでにギリギリのCFは一気にマイナスに転じます。売却も時間がかかり、急売りでは値引きが必要になります。
- 自己資金ゼロ=空室用の備えもゼロになりやすい
- 返済は収入より優先され、延滞・信用失墜リスク
- 物件売却は相場・需要次第で長期化
- 追加借入の余地がなく、修繕も持ち出し
考え方・進め方
①フルローンでも、空室6ヶ月分+返済の手元資金は別途確保。②月次CFを空室・経費込みの保守で計算。③変動金利なら+2%ストレス。④自己資金を少し入れてLTVを下げる選択も検討。
例: 3,000万円物件をフルローン(自己資金0)、月家賃18万円、返済15万円、経費2万円でCF+1万円/月。空室3ヶ月で家賃−54万円、返済・経費は45万円続き、手元がなければすぐ危険域です。頭金300万円を入れて返済を下げ、別途200万円を空室用に置く設計の方が耐久力は高いです。
住宅ローンシミュレーションで返済表を作り、頭金あり/なし・金利上昇・空室の各シナリオを並べて比較します。「始められる」と「続けられる」は別問題です。
よくある誤解
- 「フルローン=リスクゼロで始められる」→ 返済・空室リスクは最大級
- 「家賃>返済なら安全」→ 経費・空室・金利上昇を無視
- 「売れば逃げられる」→ 流動性低・値下げ・時間
- 「インフレで借金は実質減る」→ 月々の返済は名目で発生
図表
| 項目 | フルローン | 頭金+空室備え |
|---|---|---|
| 自己資金 | ほぼ0 | 頭金+手元200万等 |
| 空室耐性 | 低い | 6ヶ月程度をカバー可能 |
| 金利上昇 | 返済増が直撃 | 返済額・LTVが低め |
ポイント
- キャッシュフローを空室・金利込みで厳しめに試算する
- 空室用の手元資金は別途確保する
- 可能なら頭金でLTVと返済負担を下げる
よくある質問
フルローンとは何ですか?
フルローンについて、なぜ危険と言われる?
自己資金ゼロでも大丈夫な条件は?
フルローンはどう試算する?
本稿は不動産投資に関する一般的な情報提供であり、特定物件・特定地域の推奨や個別の税務・法律助言ではありません。利回り・空室・金利・流動性は物件・契約・環境により大きく異なります。実際の判断はご自身の責任で行い、必要に応じて不動産・税務・法律・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。
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