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インフレと「実質リターン」

名目リターンだけでなく、購買力(実質)で考える重要性

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この記事でわかること

名目リターンは、物価変動を考慮しない見かけの増え方です。一方、実質リターンはインフレを差し引いた「購買力の増え方」に近い概念です。資産形成の目的が将来の生活費を賄うことなら、実質で考える必要があります。

現金を持っているだけでも、インフレ局面では実質的な目減りが起き得ます。預金金利が物価上昇に追いつかないと、静かに購買力が下がります。

なぜ実質リターンが重要なのか

「資産が1.5倍になった」でも、物価が同じだけ上がっていれば生活は楽になりません。長期の教育費・老後資金は、将来物価を織り込んだ目標設定が欠かせません。

  • 目標額を将来価値で置く必要がある
  • 安全資産にもインフレリスクがある
  • 期待リターンを実質ベースで見ると計画が保守的で現実的になる

考え方・進め方

ざっくり「実質リターン ≒ 名目リターン − インフレ率」で考えます(厳密には別計算もありますが、直感には十分です)。例えば名目5%、インフレ2%なら実質おおよそ3%です。

生活防衛資金は流動性優先で現金寄り、長期資金は実質リターンを取りにいく成長資産を検討、という役割分担が基本です。目標シミュレーションではインフレ率を明示的に置くとズレが減ります。

下の図は、名目と実質で資産指数がどう開くかの説明例です。

よくある誤解

  • 「現金が一番安全」→ 名目元本は守られても購買力は減りうる
  • 「インフレは一時的だから無視」→ 長期目標では累積効果が大きい
  • 「名目利回りが高い商品なら実質も安心」→ リスク・コスト・持続性が別問題
  • 「賃金も上がるから大丈夫」→ 個人の賃金と物価は必ずしも連動しない

図表

名目リターン vs 実質リターン
475381288194100資産指数年数0102030
名目(年5%)
実質(年3%)
名目リターン5%、インフレ率2%、実質リターン3%の例
名目と実質のイメージ(インフレ2%)
名目リターン実質の目安意味
5%約3%購買力は緩やかに増加
2%約0%購買力はほぼ横ばい
0%(現金)約−2%静かに目減りしうる
実質 ≒ 名目 − インフレ の直感的な整理です。

ポイント

  • 目標は将来の物価を意識した金額で置く
  • 防衛資金は現金、長期の余裕資金は分散投資を検討
  • 期待リターンを実質ベースで保守的に見てもよい

よくある質問

インフレ率は何%で置けばいい?
一律の正解はありません。日本の過去や目標物価を参考に、1〜2%程度で感度分析(0%、2%、3%)するのが実務的です。
実質リターンがゼロだとどうなる?
資産の購買力がほぼ増えない、という意味に近いです。取崩し生活では、実質リターンが低いと必要資産が大きくなります。
預金だけで老後は足りますか?
十分な元本があれば足りる場合もありますが、長寿・インフレ・医療費を考えると、すべてを現金に置く計画は余裕が必要です。
シミュレーションでの使い方は?
必要利回り計算や積立シミュレーションで、インフレをONにしたケースとOFFのケースを比較すると理解が深まります。

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